先週末、勝間和代さんが管副総理にプレゼンした件で、ネットで盛り上がっているようなのですが、池田信夫さんの発言を引用するまでもないけれど、それよりも大事な事実がある。
大前研一さんの指摘である。
〔大前研一「ニュースの視点」〕KON284 日中GDP逆転の衝撃~自滅しつつある日本経済~大前研一ニュースの視点~
こちらの図を見れば見るほど、この失われた15年の悔しさを感じる。

大前さんの発言を以下に引用したい。
「グラフを見て分かるように、70年代~80年代日米は共に順調にGDPが成長し続けていました。しかし、94年頃から『日本だけ』がGDPの成長が止まって横ばいになっているのが分かります。そして2003年頃から急成長を見せる中国に、遅くとも来年には追い抜かれることがほぼ間違いない状態です。94年頃というと『バブル崩壊によってお金が失われたのだからしょうがない』と考える人もいるでしょうが、それは違います。
なぜなら、バブルが崩壊した当時でも個人金融資産は、1000兆円を越えていました。GDP成長が止まってからの十数年の間にも、日本の個人金融資産の残高は増加する傾向にありました。だから、決して「お金がなかったから」経済成長が止まったわけではないのです。ここが非常に重要なポイントです。日本のGDPは約500兆円ですから、本来、個人金融資産は500兆円もあれば十分です。もしこのバブル崩壊後に増加した金額がマーケットに出てきていれば、おそらく米国と足並みを揃えて経済成長を継続できたと私は思います。」
そして、もう一つのグラフを提示したい。池田さんのブログで紹介されていた、金融日記の藤沢さんが作成した以下のグラフ

出所:日銀、総務省、内閣府のウェブサイトから藤沢氏作成
この2枚のグラフを見てみると、バブル崩壊後のマクロ経済対策はいったい何だったのだろうか?と首をかしげたくなってしまう。GDPの成長が横ばいということは、国民一人一人の分け前に当たる原資が増えていないということだ。15年もの間、長期停滞してしまっているのだ!!これで生活が良くなるはずはない。
どんなに超低金利政策を続けても、市場に札束を溢れかえらせてマネタリーベースを増大させても、物価は上昇してこなかったし、GDPもずっと横ばいの低飛行状態だ。
大前さんは、こうも言っています。
「『ゼロ金利政策』は銀行の経営体力を回復させるどころか、むしろ逆効果だということにさえ気づいていない人が多すぎます。銀行はゼロ金利になると、貸し出し先を積極的に探す努力をしなくなります。なぜなら『金利0%』で預かっているわけですから、利回り1.5%程の国債でも買っておけば儲かるからです。
例えば「金利3%」になれば、銀行は4%で貸し出す先を必死に探すでしょうが、その必要はないのです。実際、この数年間、私は必死になって貸し出し先を探している銀行など見たことがありません。」
私には、この大前さんの説明が非常にわかりやすく感じます。小泉・竹中時代の金融政策は、「低金利により、景気回復を狙ったもの」というよりも、「低金利で銀行の不良債権の処理を一気に進めさせた」のが本質であり、それ以上の効果は一切見られなかったわけです。だから、「構造改革」であり、「景気回復策」ではなかったのだと理解できます。
じゃあ、今何をすればよいのでしょうか?問題提起しても何も始まらないし、ド素人だからといって、黙っていてもそれで何かが動くわけでもない。それに、ド素人が間違ったことを書いたところで、無視されるだけだ。でも、やはり考えたこと、思ったことは記しておこうと思う。
素人考えですが、一番手っ取り早いのは、お金を持っている人にはお金を使うことを奨励することではないでしょうか。
たとえば、被雇用者(つまりサラリーマン)も含めて、全国民が確定申告をする制度に改める。そして、「経費」として認める部分を明示して、「経費」による控除を受けられるようにする。というのはどうでしょうか。
事務的手続きは大変になるでしょうが、以下の効果が期待できます。
- 確定申告のためのパソコンソフト(購入は経費として認められる)の購入需要が出現する
- スーツや通勤用の自動車、パソコンなども明確なルールの中で控除として認められるため、新たな需要が出現する
- MBAや資格などの学習費用も控除として認められるため、教育に関する需要も出現する
でなにしろ、国民全員が確定申告をする訳なので、税金に関する理解と関心が高まり、国民レベルが向上する。
政治に対しては、ド素人ですから、荒唐無稽な提案かもしれませんが、お金が回らないことには、経済は成長しないでしょう。だから、あの手この手でお金を使うように仕向けるのが、政治の仕事ではないでしょうか。国がお金を使うよりも、国民一人一人が使うお金が、毎月1,000円ずつでも増えていけば、それだけで年間12兆円(国民を1億人として)の個人消費の増加となります。これは、GDPを2.4%も押し上げることになります。